毎月1点アンティークの逸品をご紹介します。

夢織のおすすめ

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1.ビアンコ・カララ
ミケランジェロの代表作・ダビデ像もビアンコ・カララで彫刻されています。

2.名画の中のヴィーナス
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 『ウルビーノのヴィーナス』

3.名画の中のヴィーナス
ピーテル・パウル・ルーベンス「ヴィーナス、キューピッド、バッカスとケレス」

4.名画の中のヴィーナス
ルーカス・クラナッハ『ヴィーナスとクピド』

ナポレオン3世「天使」陶板画
ボヌール・ドゥ・ジュール

1860年代 フランス

ヨーロッパ貴族にとって美術・音楽・神学への造詣を深めることは、教養を高め、生活を楽しむことに不可欠でありました。そのため、邸内には図書室ばかりでなく、音楽や絵画鑑賞用の部屋が設けられていました。芸術と貴族の生活は、古くはメディチ家の時代から切っても切り離せないものであり、芸術家を支援することは、19世紀のサロン文化に脈々と引き継がれました。貴族の邸の、先祖伝来の肖像画や、ラファエロ、ルーベンスやベラスケスなどのコレクションを展示するためのスペース、美術品を飾る「ギャラリー」には、必ずコンソールテーブルが置かれました。

今月の夢織のおすすめは、1860年代フランス製 ナポレオン3世ルイ15世様式金箔大理石コンソールテーブル。第二帝政絶頂期のフランスが極めて豊かな1860年代に、室内装飾を華麗に演出するために製作された貴族趣味の家具です。
コンソールテーブルとは、17世紀頃からヨーロッパの王侯貴族の邸に見られ始めた、壁に備え付けられる装飾用の小テーブルです。主に美術品を飾るギャラリー用に作られることが多く、小さなブロンズ像や陶器やモザイクの花瓶などが飾られました。大理石の白と金箔に彩られた豪奢な家具。
それでは細部を見て行きましょう。

           

天板に貼られた、イタリア製の大理石、ビアンコ・カララ。静謐な白に所々グレイの模様が浮き出し、石肌はどこか神聖でアルプスの雪原を想起させます。
幅126cm、奥行58cm、高さ94cm。S字型の4本の脚が支えている天板の位置が高く、全体的にボリュームのある姿。かなり広大な空間に置かれていたものと推測されます。天板の高さ、ゆったりとした奥行から、天板の上に飾られたのは決して小品ではなかったでしょう。飾る調度品のために、特注したコンソールであったことも考えられます。

           

天板下中央部分にこのコンソールテーブルを象徴するような、シェル文様。美の女神ヴィーナスは地中海の泡から産まれ、シェルに乗って西風に吹かれながら神々の待つオリュンポス山へ導かれ、美の女神として12神に加わりました。

           

シェルの左右には、古代から生命力の象徴として尊ばれてきた、アカンサスの葉がダイナミックに彫刻されています。奔放なアカンサスの曲線は、S字型にスクロールしながら、鉤爪型の足先に続きます。均整がとれた、審美的な造形です。

           

シェルや花々の彫刻を、金箔が覆い尽くします。生命を得ているかのように隆起するシェルのフォルム。表面を乱舞する光。スクロールするアカンサスの葉先にできた陰影に、漂う優雅さ。
植物の、気まぐれな動きをとらえたS字を描くフォルム。限りある生命の、美しさの絶頂の瞬間を捕える美意識。ロココの美の精神が、家具の装飾そこかしこに息づいています。

領土を所有し、紋章を持ち、市民であり軍人としての立場のある、ヨーロッパ貴族。誇り高き家系の伝統を守る事と同様に、芸術を愛することは、生きる意味でもありました。そして、好みに叶い、歴史ある絵画を所有することは、貴族の証でもあります。

名画が飾られた、荘厳な空間に置かれていたコンソールテーブル。芸術との対峙は、貴族にとって社交的生活から離れ、自らと向き合う時間。色彩に圧倒され、画家の魂に共鳴し、芸術と溶け合う瞬間………。黄金のコンソールテーブルは、この静謐の空間で、微笑むようにきらめいています。

           

5.名画の中のヴィーナス
ピエロ・ディ・コジモ「ヴィーナスとマルスとエロス」

6.ナポレオン3世の時代
今日の贅沢文化の始まり
ナポレオン3世は、1855年の万博に際して、ボルドーの商工会議所に命じ、ボルドーワインの格付けをさせて“ラフィット”や“ロートシルト”の「特上品」で国賓をもてなしました。また、配膳に関しても従来の大皿から取るやり方を改め、各々個人に盛り付けたお皿を準備する、洗練されたロシア式サーヴィスをフランスに定着させました。
写真上:1855年パリ万博 写真下:1867年パリ万博

7.ナポレオン3世の時代
パリのデパート文化
ナポレオン3世の時代に、ボン・マルシェ、ルーブル、プランタンなど、選りすぐりの品々を宮殿のような絢爛豪華な建物に集めた「デパート(grands magasins)」がパリに続々と現れることで、ショッピングに新しい時代が到来しました。パリ万博のパビリオンさながらの空間に飾り付けられた品々は、消費するという行為を夢の世界へといざないました。
写真左:プランタン外観 写真右:内部

8.ナポレオン3世の時代
パリ万博や列国会議などを次々と開催しそれに際して盛大なレセプションパーティーで各国からの来賓をもてなしました。一連の祭事は「帝国の祝祭La fête impériale」と呼ばれナポレオン3世のイメージを決定づけます。美食とファッションは豪華・贅沢の一途をたどり世界中にフランスのイメージが波及しました。
写真上:マネ「テユイルリー公園の音楽会」写真下:ウージェニー皇妃と取り巻きは、祝祭に華を添えた。

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