毎月1点アンティークの逸品をご紹介します。

夢織のおすすめ

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1.ルイ14世(1638-1715)
壁にかける綴織り、タペストリーは、17世紀フランスで、ルイ14世が装飾芸術の中でも特に重きを置きました。王立ゴブラン製作所が制作した、戴冠式、結婚式や戦争調停など、王の歴史を綴らせたタピスリーは、王の権力を誇示する装飾芸術として貴族社会に根付きました。

2.
本作品は、現在期間限定で福岡小倉本店にて展示しております。是非ご覧になられてください。

3.アントワーヌ・ヴァトー作『田園の恋人たち(羊飼いたち)』
ロココの雅宴画を確立したヴァトーの代表作。

4.アントワーヌ・ヴァトー作『シテール島への巡礼≪雅やかな宴≫』
雅宴画の始まりとなった名画。独身の男女が必ずロマンスに恵まれるという、愛の女神ヴィーナスの島、シテール島への巡礼が描かれています。

ルイフィリップ 金箔貼サロンセット

1840年代 フランス

ヨーロッパの貴族が、至高の時を過ごした空間………。広大な宮廷式庭園に囲まれた邸には、ほんものの贅沢を知る人々が、自らの美意識に叶った美しい調度品を宝石のように並べました。
今月の夢織のおすすめは、1840年代フランス製、ルイフィリップ金箔貼サロンセット。ヨーロッパの名だたる名家には、必ずこの作品のような綴織りのサロンセットが飾られています。2016年は、弊社社長萬田あけみが書籍「華麗なるインテリア〜ロココとヴィクトリアン」を上梓した記念すべき年でした。今年を締めくくるにふさわしい、装飾芸術品をご紹介いたします。
見る者の眼を惹きつけて離さない、ヨーロッパ伝統の綴織りの見事な色彩と、金箔が貼られた椅子の優美なフォルム。貴族文化の最たる装飾芸術品です。
それでは細部を見ていきましょう。

         

アームチェアの背もたれの頭頂部には、優雅なリボン結びが彫刻されています。らせん状にくねるリボンと真珠状の小さな球形や、すんなりと伸びるアームの先に彫刻されたアカンサスの葉に金箔が貼られることで、細部の陰影が彫刻を活き活きと浮き上がらせています。リボンとアカンサスという代表的な宮廷趣味のモチーフが、甘美な華やかさを演出しています。
楕円形の、カルトゥーシュ(装飾枠)型の背もたれや座面に描かれるそれぞれの風景は、どこか寓話的であり、ロココのフェート・ギャラント(雅宴画)そのものでもあります。



髪に青いリボンを飾り、手には何か笛のようなものを握っている少女。丸く愛らしい頬はほんのり上気しているようです。座に描かれるのは、渦巻く長い角が美しい山羊。気品と威厳に満ちた表情です。少女が奏でた笛の音を聴いて、深い森の中から迷い出てきたのでしょう…。



帽子を冠った青年。足元を見るとリボンが付いたお洒落な靴を履いています。高貴な身分の青年の仮装でしょうか。ロココの時代、野辺に戯れる男女を油絵に描いた夢の世界を、雅宴画と呼びました。ポンパドゥール伯爵夫人、王妃マリー・アントワネット………貴族達は雅宴画さながらに村の人々に仮装して、舞踏会を楽しみました。座面に描かれたしなやかな姿の犬。首輪をしていることから、猟犬であることが判ります。厳めしい表情で、なにやら上空を睨んでいます。



羽根つきの帽子を手に、野にたたずむ青年。豊かなブロンドで、秀でた眉です。座には狼が、鋭い目つきで森を歩き回っています。高度な技術によって、織りなされた淡く美しい色彩の変化が、人物や生き物の微妙な表情のニュアンスさえ表現しています。ヨーロッパの綴織は、16世紀のルネサンス遠近法の絵画の影響を受け、より立体的に対象を表現するため、多層な色彩を織り込むことで織物を芸術の領域にまで発展させました。麻の縦糸に様々な色の絹や羊毛の緯糸を一糸一糸綴りながら、織物の芸術をつくり上げてきました。



青いリボン飾の麦わら帽子を冠った少女。手に羽根のようなものを持ち、どこか物思いにふけっているような表情です。座面の狼は、何かを見つけたようです。羽根つき帽子の青年の座と同じ背景が描かれているので、どうやら同じ狼のようです。

         





そして、腰かける人を包み込むような丸いフォルムが魅力的な二人掛けのソファ。脚は直線的に伸び、古典的で端正な印象を与えています。ソファには贅沢にも、側面にまで、どこかルネサンスの絵画を彷彿とさせる森の風景が張られています。

青いリボンの少女と、ブロンドの青年が、野辺に寄り添っています。青年は、騎士が貴婦人に寄り添う構図で、少女に野の花を捧げています。座面には、上空を見ていた猟犬が、鴨を見つけた様子です。四肢に力を入れ、鴨に吠え掛かっています。今まで眺めてきた風景が、物語として繋がっていました。愛し合う二人の男女と、森の住人達が描かれ、ふたりの森の逢瀬に完結しました。
かつてここに腰かけたふたりは、どんなお喋りに興じたのでしょう…。
サロンに置かれたソファのセットは、邸の自慢の調度品。とても大切に扱われ、クリスマスの舞踏会の前には、必ず手入れをされました。

淡く美しい色彩で表現された森の風景は、見る者の瞳を夢見がちにさせました。

森のロマンスのサロンセット。ロココの時代から受け継がれた、在りし日のヨーロッパ貴族の生活を彩った、珠玉のお品です。

         



5.ルイ・フィリップ(1773-1850)
本作品はルイ・フィリップがフランス国王時代(1830-1848)に制作されました。

6.フランソワ・ブーシェ「ラ・ミュゼット」
ロココを代表する画家ブーシェの作品。本作の男女の逢瀬の構図と似ています。

7.カルトゥーシュ
絵画で装飾枠として描かれたり、高級家具のデザインに用いられます。紋章、古書や古地図にも見られます。

8.羽根とブルーのリボンの麦わら帽子に、モスリンのドレス。村娘に扮したマリー・アントワネット。まさに本作品の世界観です。