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<ブログ16>絨毯シリーズ第6話 ウイグルは、日本人のルーツ(パート2)
2008/06/18 15:33:18
  <前回のあらすじ>      
ウイグル絨毯のあのシックな色使いが、何故、かくも日本人の感性に訴えるのか?
その素朴な疑問を探る糸口として、前回は、〜ウイグルは、日本人のルーツ(パート1)
〜という問い掛けで、ウイグルのお宅に招かれた時のお話をしました。

<ブログ10>絨毯シリーズ第5話 ウイグルは日本人のルーツ(パート1)
 

<第6話> ウイグルは、日本人のルーツ(パート2)


彼らが、親切心に富んで、気さくで、陽気で、歌と踊りを愛する民族で、どこか昔の古き良き日本人の気質に似た懐かしさみたいなものを感じとっていただけたら幸いです。
その音楽は、インド、中近東、ロシアに繋がる、まさにシルクロードが生み出した文化を今に伝える貴重なものといえます。
彼らは、小さい頃から、歌舞音曲に親しみ、歌上手、踊り上手がいっぱいいます。
音楽に合わせて踊る女性は、ビーズや金属片を縫い付けた華やかな民族衣装を身にまとい、飛天を思わせるような軽やかさで、優美に舞います。
その典型的な民族衣装の柄が、「矢絣(やがすり)」なんです。矢絣は、矢羽を図案化した文様で、和服の柄や千代紙の柄として今もよく使われます。江戸時代に大奥で腰元が身につけていた紫地の着物の柄も矢絣です。ここにも、シルクロードのつながりを感じます。


 

ウイグルの民族衣装を着た女性


 
ウイグルの民族衣装に使われている矢絣文様

 
 ウイグルの音楽の中でも「ムカーム」と呼ばれる古謡は、彼ら独特の歴史と文化を伝えるものです。それは、10世紀から11世紀にかけて、女性によって作詞作曲された12の大章からなる大叙事詩で、全曲演奏するのに、約70時間を要する大曲と聞きました。
その一節を、ABDUWAYT(アブダビ イエット)副院長が歌ってくれた話をしましたね。
実は、このムカームを、千年の歴史を経て歌い継いできた、ウイグル族の若き民族歌手が日本にいたのです。彼の父は、その全曲を奏でる著名な音楽家で、彼も、小さいときから、父の手ほどきを受けて、若いながら、ムカームを演奏できる貴重な存在でした。
その彼のことを思い出しながら、話したいと思います。

ウイグルの若き民族歌手との出会いと別れ(パート1)


それは、1991年(平成3年)の3月。今から、17年前のことです。

私達が応援していた、鹿児島在住のウイグルの留学生から、彼のことを聞きました。
「彼は、北京の中央民族芸術院で、声楽、楽器、舞踊、演劇を学び、ウイグルの歌劇団の一員として活躍していたが、一年半前に、民族音楽を日本に紹介し、日本の音楽、文化を勉強してウイグルに紹介したいと、志を抱いて、来日した。しかし、現実は、東京砂漠で、
日本語学校に就学するための学費と生活費を稼ぐアルバイトに追われ、疲労困憊し、当初の志とは無縁の日々を送っている。一度、会ってくれませんか‥‥‥‥‥。」

居ても立ってもいられず、すぐさま、上京しました……。都内のアパートの狭い一室で、彼と会いました。端正な顔立ちに口髭を蓄え、少しやつれが見えるものの、目はきらきらと輝いていました。
早速に、歌を所望しました。久し振りに弾くからと、はにかみと緊張で、頬を紅潮させて、ギターをつまびきながら、腹の中からしぼりだすような透明な高音で、遊牧の民の悲喜、哀感をせつせつと歌ってくれました。それは、単に異文化に触れたいという珍しさや驚きではなく、発声の基本や歌心、音楽性に裏付けされた、民族を越えて、鑑賞に絶え得る歌唱でありました。日本の歌も少し覚えたからといって、聴かせてくれました。
それは、いわゆる、今の流行歌(演歌)で、テレビで流れてくる歌にしか接していない寂しい現況に、心が痛みました。日本には、今の流行歌もいいけど、もっと聴いてもらいたい歌がいっぱいあるからと、「荒城の月」や「からたちの花」や「赤トンボ」などを口ずさんでやりました。さながらに、ウイグルと日本の歌合戦になって、時の経つのも忘れていました・・・。「近いうちに、北九州に遊びに来ないか」と誘ったら、目を輝かせてイエスの意思表示をしました。彼には、このひとときがどのように感じられたのか、何を望んでいるのか、まだ日本語で充分に意思が伝えられないので想像するばかりですが、最寄の駅まで送ってくれて、別れに、強く握りしめられた手のぬくもりが、全てを語っているように思いました。

私たちでも生活することは大変なことです。ましてや、異国に来て、しかも芸術で志を全うする事は、並大抵の苦労ではないことも百も承知しています。
しかし、おせっかいと知りながら、自分の出来る範囲で、協力、援助をしたいと思い、彼を北九州に呼び、一緒に音楽と生活の道を模索することを決意したのです。

翌月(4月)、桜花爛漫の頃、彼は少ない家財道具を抱えて、来北しました。
それから、我が家で、彼と私達の共同生活が始まることになるのです・・・。
つづきは、次回に。
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<次回予告>
ウイグルの若き民族歌手との出会いと別れ(パート2)
いよいよ北九州を拠点に、彼と私の音楽行脚が始ります。彼との共同生活は、異民族と異文化のぶつかり合いでもありました・・・。
 
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