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<ブログ13>夢工房便り No.1
2008/05/31 19:17:41
 

夢工房便り No.1 

 
 
はじめまして、ギャラリー夢織で家具のメンテナンスを担当している夢工房・工房長の村田です。
これから不定期ですが、工房から見たり、感じたアンティークについて語っていこうと思います。
 
 
<工房長日記 Part 1>

まずは簡単な自己紹介から・・・
私は、元々手作り家具を作りたく、飛騨高山にて家具作りを学び、家具職人として家具作りに携わってきました。過去の先達からよく言われました。
「木は樹齢分は生きる。百年育った木を使い、しっかりと作れば、百年は家具として使える。また、そうしないといけない。」

そういう思いを持ちながら、家具
作りをしてきました。百年以上家具が使われるなら、その間に木は、また成長できますよね。それが、環境、森を守ることにもつながる。物作りをしながら、昔ながらの循環型システムを実践しなければいけない、と思いつづけてきました・・・。


 
 

夢工房にて・・・

 
 
近年は、中がスカスカのフラッシュ構造の合板を使った家具が主流で、大量生産方式で作られ、構造に関しても、果たして何年持つのかと、疑問に思えるような家具が多く作られています。まさに使い捨てです。資源の無駄使いですね。
このような思いから、私は、家具を作るなら、全ての部分において無垢材を使い、昔ながらの工法で作るべきだと思い、家具つくりに携わってきました。
この度、縁あって、夢織で家具のメンテナンスに携わることになり、アンティーク家具の面白さに触れることになりました。私は、家具作りをやっているときから、素朴な疑問をもっていました。
「はたして、昔ながらの作り方をして、本当に百年もつのだろうか?」と。
私は百年も生きていないので、自分の作った家具が本当に不具合なく、百年後も使われるのだろうか、と。それが、夢織で百年、二百年も前の家具と関わるようになり、解決しました。

しっかりと、正しい工法で作られた家具は、百年以上経っても、ほとんど変わることがないのです。一番大事なのは、木は生きているということを認識して、木の将来の収縮、膨張を考えて作るということです。その大事な点を守り作られた家具は、百年以上たった今でも、ほとんど不具合もなく残っています。私が、以前、学んだ師匠の言われたことは本当だったんだなと、実感しました。変な言い方ですが、自分の作る家具の百年後を見たような気分です。(昔の優れた職人さんと自分を同等に扱うのは、ちょっと、おこがましいのですが・・・)

 
 


 


しかも、アンティーク家具は百年どころか、五百年も、千年もの樹齢の木を使っています。長く生き続けるはずです。今更ながらに歴史の重みを感じます。百年前のアンティーク家具をまだ使い続けることができるというのは、環境に対してもやさしいことなんです。この百年の間に、新しい木は大きく成長してますからね。  
  この夢織にてアンティーク家具に関わるようになり、日々、昔の職人の技、知識、そして、感性に驚かされます。気の遠くなるような時間をかけて施された彫刻、信じられないような精密な象嵌細工。とても、太刀打ちできないなと同じ職人として思うことが多々あります。


彫刻がひときわ目を引くノルマンディーのキャビネット


 
 


見事な象嵌細工のテーブル


精巧さに目を見張ります(象嵌の拡大写真)


 
 


 

框組(かまちぐみ)でつくられた家具の一例


構造に関してですが、あまり見えないところに手をかけているのを発見するとうれしくなります。
「現代の使い捨て家具と違うな!」と、例えば、キャビネットの裏板などが、しっかりとした「框組(かまちぐみ)」でつくられていたり、また、引き出しの底板がオークやマホガニーの無垢材で作られ、また、それらが、将来の収縮を予想し、組みつけられているのを見つけると、うれしくなります。もちろん、今、現在もそういった作り方をしている家具職人は少数ながらいます。しかし、アンティーク家具はそのような作り方が当たり前というところがすごいのです。
 
  あまり見えないところと言えば、もうひとつ。引き出しの前板と側板との接合部によく「包みあり組み継ぎ」という接合方法がとられているのですが、その、組継ぎのパターンの間隔などに職人の遊び心が感じられる事があります。こういったところも見られると楽しいですよ。


包みあり組み継ぎの引き出しの一例

 
  使われている木材にしても、今やワシントン条約で輸出禁止品目に指定されている稀少なマホガニー材、上質のオーク材、特にフランス人が好むウォルナット、幻とも言えるサテンウッド、ローズウッドなどを惜しげもなく、ふんだんに使っています。とても信じられないことです。また今では、とても手に入らないような、幅広の板材が使われていることもあります。木として生きてたころはどのくらいの大きさだったのだろうか?などと、思うこともあります。

まだまだ話は尽きないのですが、今日はこのくらいで・・・
次回、また機会があれば、報告していきたいと思います。

以上、職人の目から見たアンティーク家具の一節でした。

工房長日記 Part1 はこちらからどうぞ → 工房長日記 Part 2
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