|
<ブログ10>絨毯シリーズ第5話 ウイグルは、日本人のルーツ(パート1)
|
|
2008/05/06 20:02:28
|
| |
<前回までのあらすじ> |
|
|
|
|
|
前号、前々号で、「ウイグル絨毯の素晴らしさ」について、そのほんの一端をご紹介しましたが、その色使いが、何故、日本人の感性に訴えるのか、その疑問に答えていきたいと思います。まず、私が、始めて、ウイグルのお宅に招待された時のことから話してみます。 |
|
|
<ブログ4>絨毯シリーズ第3話 ウイグル絨毯の素晴らしさ(パート1)
|
|
|
<第5話> ウイグルは、日本人のルーツ(パート1) |
|
|
ウイグルを訪れた時、お世話をしていた留学生のお宅に招かれたことがあります。農学院のABDUWAYT副院長始め学者のご夫婦達10数名が集まりました。 見回すと、ウイグル族、ウズベク族、カザフ族、ロシア人、中には日本人そっくりの方もいて、まさに、民族の坩堝の中にいるようでした。
副院長の挨拶。「日本民族は、勤勉で優秀な民族である。心から歓迎している」。私からの返礼。「日本人とウイグルは、距離にして8,000km、飛行機で8時間、とても遠い国から来たのに、皆様にお目にかかって、とても近くに来たという印象を覚えます。私は、昔、ここで生まれたのではないかという懐かしさすら感じます。こんなに暖かく迎えてくれて感謝しています。ラハマット」
最初は、手作りのお菓子とお茶のもてなしから宴が始まります。ビールで乾杯後、羊肉や野菜をふんだんに使った盛り沢山のウイグル料理が出てきます。メインは、羊の丸焼き。宴席の主賓に羊の目玉を食べさせる習慣があります。郷に入りては郷に従え・・・・・・・私は、目をつぶって一気に飲み干しました。無味で、ゼラチンのようなトロリとした触感でした。
お腹がいっぱいになった(胃に粘膜を張った)ところで、ウォッカのような強いお酒が回ってきました。いよいよ、酒盛りの始まりです。
|
|
飲むほどに、酔うほどに、彼らは、ドゥタールやレワップ(いずれも、日本の琵琶や三味線の原形を思わせるような楽器)等の民族楽器を持ち出して、歌い、踊り始めました。私も、踊りの輪の中に引きずり込まれて、なすがままに、身を委ねました。
|
|
 ウイグルでの酒盛り。酔うほどに、唄うほどに宴会の盛り上がりは最高潮に。。 |
|
何か日本の歌をと所望されて、これも従わねばと腹を決めて、九州民謡の「刈り干し切唄」を選びました。この唄は、山の斜面の畑の干し草を刈る仕事唄だと解説して、目をつぶって情景を想像して聴いて欲しいと、心を込めて歌いました。 ここの山の、刈り干しゃ済んだよ・・・・・・・・・・。歌い終わると、一瞬沈黙があって、後はやんやの喝采を浴びました。そして、副院長が、「この唄はどこかで聴いたことがある」といって、1千年も前から歌い継がれてきたムカームという長大な叙事詩の一節を歌いだしました。 |
|
 |
|
なるほど、日本の追分のような節回しとテンポで、唄の源流を、見たような気がしました。何か繋がっているなと直感しました。私は、昔、こういう踊りの輪の中にいたことがあると、心底から楽しみ、宴は、深夜から明け方までつづきました・・・・・。
|
|
今は、イスラム圏で、しかも、中国(漢民族)の支配下にあって厳しい環境にあるとはいえ、彼らは、もともと、酒も飲むし、歌舞音曲をこよなく愛する、陽気な民族です。それは、日本と同じように、太古の昔から、どこにでも神様が宿るというゾロアスター教(原始宗教)がベースにあって、それから、仏教が入ってきて、長い間、仏教国だったのです。唐の時代、三蔵法師が、孫悟空や八戒、沙悟浄を従えて、長安の都から西域を経てインドに仏典を取りに行く途中、81の妖怪・怪物などを退治する物語(西遊記)の舞台となったところでもあります。トルファンには、火炎山といって、名前の通り、赤く染まった山がありますが、そういえば、今にも妖怪が出てきそうな雰囲気に満ちています。 ウイグルには、至るところに、仏教遺跡が残っておりました。しかし、11世紀に入って、300年以上の長きに亘って、次第にイスラム化されていく中で、破壊し尽くされていきます。イスラム化されても、根っ子にある原始宗教や仏教が、思想や世界観、生活習慣において、日本と共通するものを残しているのかも知れません。 更には、江上波夫(元古代オリエント博物館館長)氏が提唱された「日本人のルーツは、北方騎馬民族である」という説に象徴されるように、日本人そのもののルーツがそこであれば、大いに合点のいくことであります。 あのシックで、優しい色使いは、そういう彼らの民族の歴史と日本との関係から来ているのだと思います。だから、日本人の感性にも訴えるのだと思います。 それぞれの民族が織り成す絨毯の図柄や色使いが異なるのも、歴史を紐解けば、なるほどと納得がいきます。 |
|
|
<次回予告> 絨毯シリーズ第6話 ウイグルは、日本人のルーツ(パート2) 九州大学が、1987年から10年にわたって、ウイグル自治区学術調査団を組織し、総合的な学術調査を実地しています。その中から、興味深い調査の結果を織り交ぜながら、日本との関わりにつ いてお話ししたいと思います。 |
|
|
|
| この記事のURL : http://www.yumeori.net/93257.html |
|
|
|
|
|
|